この春休み、高学年クラスは人権に関する本を課題図書にした。

一冊は人権とは何なのかについての説明文、もう一冊はいじめに関する小説。

読んだ本から自分が考えたことを作文にしている。

身近な「いじめ」について書く子が多いだろうと予想していたが、「戦争」をテーマにした作文が圧倒的に多かった。

ニュースや新聞をよく見ているようで、私が想像していた以上に彼らは情報を得ていた。

そしてそこから自分なりに考えている様子が作文を通して窺がえた。

「スーパーやコンビニに置かれてる箱。あの箱はウクライナの人たちの箱です。ウクライナの人たちの食べ物や着るものを買うための箱です。だから箱に気がついたら協力したいと思います」

いつも純粋無垢なYちゃんの優しさが作文から溢れていた。

「ロシアが一方的に悪いと思っていました。学校で校長先生のお話を聴いたとき、『ロシア側の視点も忘れてはいけません』という言葉が印象に残りました。どちらか一方が絶対的に悪いというわけではないのかもしれないと考えるようになりました」

本を読んだこと、ニュースや新聞を見たこと、校長先生の話を聴いたことによって、ぐっと視野が広がったFちゃん。

生まれてからまだ10年、11年しか経っていない彼らが今、世の中で起きていることについて真剣に考えている。

私たち大人は、彼らのこの先の人生が明るいものになるように尽力しなければならないと改めて思うのであった。