先月、今年も読書感想文を終えた。選んだ本はそれぞれ。課題図書の子もいれば、思い入れのある一冊の子も。
低学年は「型」を使う。わかりやすい構成、一文の字数指定など、細かいルールに乗っ取って書く。低学年なのでルールを理屈で理解しているわけではない。型を繰り返すことで自然と体得していく。オリジナリティーには欠けるかもしれないが、何事も基本を疎かにしてはいけない。誰が読んでもわかる作文が書けることが最優先。
高学年は「構成」をしっかり練る。人の作文を幾つか読み分析する。自分の本はどう書いたら人に伝わるのか、じっくりじっくり考える。書き出す前の準備を念入りに。
中高生は「軸」。テーマを見出し、それを作文の軸とする。今回は心の葛藤を赤裸々に綴ってもらった。ああでもない、こうでもないという心の揺れ、動きを丁寧に綴る。かなりオリジナリティー溢れる作品になったと思う。
うちの教室はとにかく書く。毎週何かしら作文を書いている。書いて書いて書きまくっているうちに、いつしか書くことへの抵抗感が薄れ、書けるようになる。
感想文を書きながら、小学4年生の生徒が
「出だしが決まればあとは鉛筆が勝手に動くんだよね」
と言っていた。
彼女は通い始めて5年目。そんなことを言うようになったのか。
~エッセイスト・ゆきんこ