この教室を立ち上げようと思ったきっかけの1つに感想文のことがある。

私たちの頃、小中高と、夏休みの宿題には必ず読書感想文があった。

でも、書き方を一度も教わったことがない!!!
どうやって書いたらいいのか、わかんない!!!

だから夏休み最終日まで放っておく。
そして最後の最後で無理やり書き上げる。

ちなみに私は国語が得意な方だったのにだ。

わからないことって、自然とハードルが高くなる。
苦手、嫌いという心理状態に陥り、避けるようになるのだ。

でも、やり方がわかれば、「なあんだ!結構できるかも!」に変わる。

子どものころの自分を思い返し、
こういうことを教えてくれるところがあればいいのになぁと思ったのが、
この教室を立ち上げるきっかけの1つになった。

この夏休みも、連日、感想文に取り組んでいる。

中高生はさすが、もう何年も通っているだけあって、構成を考えたり、
書き出しの工夫をしたり、自分たちで進めている。私は添削するだけ。

小学生は、低学年は一緒に進めていくのだが、
高学年は大半の子が自分のスタイルで書き進めている。

訓練の賜物である。

中高生で「どうやって書いたらいいの?」と言ってくる子はまずいない。
高学年もほとんどそんなこと言わない。
言ってくるのは、「こんなふうに書きたいけど、どうかな?」。

自分の子どもの頃と比べても、彼らの方が余程、書けると思う。

彼らの成長に目を細めながら、今日も万年筆の赤インクを入れ替えるのだった。

~エッセイスト・雪丸