フィンランドは「考える国」なので、街中に「Think corner」がある。

cafeだったり、大学のロビーだったり、図書館だったり、至る所にある。

自由に市民が集まって、テーマについて考え、ディスカッションする。

全ての出来事は他人事ではないからだ。

考えることは自分事として捉えることだと思う。

そうして初めて人は真剣に考えることができる。

作文は考える力を育んでくれる。

教室では来る日も来る日も作文を書く。

先日、高校生の生徒が自分の書いた小論文を見返して、

「淡々としてしまっているのは、自分事になっていないからだと思いました」

と言った。

「どこかで、私がするのではなく、誰かがするのだと思ってしまっているところがありました」

と。

自分で気づけるとあとは早い。

彼女が小学生の頃、新聞記事を題材に作文を書いていたときに、

「イギリスがEUから離脱すると、私たちの暮らしにも影響があるのですか?」

と言っていたのを思い出した。

世界で起こっていることも、近所で起こっていることも、皆、自分に何がしかの影響を及ぼす。

他人事ではないのだ。

教室の理念は「未来のリーダーを育成する」だ。

自分事として考えられるようになってほしいという想いがある。

彼女が通い始めてから7年が経つ。

伝わったと思った瞬間だった。