先日、中高生のクラスで「AI(人工知能)の技術革新により今後、無くなりそうな職業はあるだろうか?」をテーマにディスカッションを行いました。様々な意見が出ましたが、逆に「AIが進歩しても、残りそうな職業は、どんな能力が必要とされるのだろう?」についても話し合いました。
すると、ほとんどの生徒が「親身なコミュニケーションを必要とする仕事は残りそう。コミュニケーション能力は大事なのではないだろうか」と。「例えば、ビジネスホテルだと、お客さんはそこまでコミュニケーションを期待していないので、受付はペッパー君でもOKだけど、高級ホテルだと、ホテルマンのおもてなしも料金に含まれていて、お客さんはその価値を求めて来てると思うから、コミュニケーション能力は必要だと思う」や、「診察や診断、外科手術はロボットの方が正確に行えると思う。でも、患者さんは不安な気持ちで病院に来ているから、親身な対応をしてほしいと思っている。だから、お医者さんや看護師さんはやっぱり人でなくてはダメだと思う」、「学校の先生も勉強を教えるだけなら、ロボットでもOKだけど、子どもたちを慰めたり、励ましたり、愛情をかけたりするのは人じゃないと」など、「コミュニケーション能力」が必要な職業は今後も変わらず残っていくだろうという意見が多数出ました。
「では、自分自身をふり返ったとき、どうだろう?コミュニケーション能力は、あるといえるだろうか?積極的に自分からコミュニケーションを取ろうとしているだろうか?」と問いかけました。すると「あまり自分からは話しかけない」、「積極的にはちょっと…」などという意見。
現在、保護者面談中ですが、親御さんに「お子さんにどんな力を身につけてほしいとお考えですか?」と聞いたところ、「勉強はできるに越したことはないけど、私の中ではそれが一番ではありません。人とコミュニケーションを取って生きていく力を身につけてほしい。それが一番大事だと思います。どのお仕事もコミュニケーション能力は必須ですから」とのお答え。私も痛切にそう感じております。特に中高生に対してです。
今後中高生クラスでは、「コミュニケーション能力」を強化するレッスンを考えております。聴く力、適切に自分を表現する力、距離感などを身につけるためには、対親御さんや先生ではなく、対子ども、普段あまり接しない人であることが大事だと思います。対親、先生のコミュニケーションは子どもたちにとって楽です。自分のことをわかってくれる相手ですし、相手側から働きかけてくれるからです。しかし対子どもですと、考えてコミュニケーションをしなければなりません。聴く力、話す力を身につけることで国語力の向上も図れるのですから、積極的なコミュニケーション活動を来年度から取り入れていきます。