毎年教室で恒例となっていたお話作りのコンクール。
何ものにも囚われない、とにかく自由な発想が評価されるところが皆のお気に入りであった。
なのに今年で卒業になるらしい。
子どもたちは「自由」という言葉に嬉々として反応する。
低学年の子供たちは「にやり」と笑い、教室をうろうろしながら、
閃きが降りてくるのを待ち、やがて一心不乱に机に向かう。
そして出来た作品を読み返して、くすくす笑っている。
なんと楽しそうなことか。
しかし、年齢が上がるにつれ「自由」という言葉に戸惑うようになるようだ。
高学年の子どもたちは、過去の受賞作を読み耽り考え込む姿が目立つ。
「ああでもないこうでもない」とつぶやきながら、なかなか筆が進まない。
「自由って言われるとかえって難しいねぇ」
なんて言いながら、何とか出来上がった作品を不安そうに見せに来るのだが、これが面白かったりする。
私もそうかもしれない。
「今日は何の予定もない!1日自由だー!」という日があっても、
掃除洗濯、普段はなかなか手がつけられない家事などに没頭してしまい、気づけば夕方。
そして大慌てで、「本当はこれがしたかったのに!」と前々から読みたかった本にようやく手をつける。
今日はもう数時間しか残されていないのに、土壇場になってあがくのだ。
そして束の間の自由を享受する。
それでも「自由」という言葉が私は好きだし、「自由」と聞くと何だか胸躍るのだ♪